(図解)簡単に理解できる「キャッシュ・フロー計算書」~CF計算書~
【難易度★★☆☆☆】
相談者
会計士
「CF計算書」とは、 キャッシュ(=お金)のフロー(流れ)をあらわす決算書のことをいいます。
正式には「キャッシュ・フロー計算書(Cash Flow Statement)の略で 、会社がどのようにお金を得て、どのように使ったのか をみることができる決算書のことをいいます。
「キャッシュ・フロー計算書」には 3つの区分があります ので、まずは、この3つの区分をおさえておきましょう。
「キャッシュ・フロー計算書」の3つの区分とは?
会計士
3つの区分とは、①営業CF、②投資CF、③財務CFのこと をいいます(営業キャッシュ、投資キャッシュ、財務キャッシュという呼び方が一般的です)。それぞれ内容を見ていきましょう。
相談者
まずは「営業CF」(営業キャッシュ)から見ていきましょう。
営業CFは、「本業からのお金の出入り」をあらわしており、本業でどのくらい稼いだのか を見ることができます。
当然ですが、儲かっている方が良いため、プラス」であることが望ましいとされています 。
会計士
投資CFは、設備や株式等の投資に関するお金の出入りをあらわしており、「将来に向けた投資額」 を見ることができます。
将来に向けていくら投資を行っているかという目線で見るため、「マイナス」であるほうが望ましいとされています 。「マイナス」というと響きが悪いですが、会社を成長させるために投資をしているということを意味します。
相談者
財務CFは、借入金や株の発行等の資金調達に関するお金の出入りをあらわしており、会社がどのように「資金を調達・返済したのか」 を見ることができます。
会社の状況によって、プラスになることもマイナスになることもあり、 「プラス」「マイナス」のどちらが良いとはいえません。 たとえば、成長中の会社であれば資金を調達し、投資を進めていくべきなので、「プラス」になることが多いです。
一方、安定・成熟している会社は少しずつ借金を返済していくので、「マイナス」になることが多いです。ただし、 金利の情勢や事業の展開を見据えながら資金調達を行うため、会社の財務戦略によるところが大きい です。
会計士
相談者
「キャッシュ・フロー計算書」のパターン別分析
会計士
ここからはパターン別にキャッシュ・フロー計算書の分析をしていきましょう。
キャッシュ・フローのパターン別に分析した結果をまとめたのが以下の表 になります。
会計士
営業CFがプラス(No.1~4)かマイナス(No.5~8)で大きく分かれます 。営業CFがプラスの場合は、健全な会社が多いです。
相談者
会計士
相談者
会計士
そうですね。赤字でもすぐに倒産することはありませんが、 資金がなければたちまち倒産してしまいます 。そこで、 会社の支払い能力を把握するために「BS」や「PL」だけでは足りなくなり、「キャッシュ・フロー計算書」の必要性が高まっています 。
キャッシュ・フロー計算書作成のよくある質問「なぜ、減価償却費を加算するの?」
CF計算書の作成について質問を受けることも少なくありません。よくあるのが、「減価償却費を加算するのはなぜか?」という質問です。CF計算書の営業キャッシュ・フロー(以下、営業CF)を計算する際に、税金等調整前当期純利益(以下、税前利益)に減価償却費を加算します。一般的な説明では、「減価償却費は、費用は発生してもおカネは動いていないから足し戻す」とされています。これはもちろん間違いではないのですが、質問者の多くは、「なぜ、おカネが動いていないのに足し戻すのか?」という点に疑問を持つようです。おカネが動いていなければ加算もしなくて良いのではないか、ということですね。
事例で解説:税引前利益を営業CFに読み替える
この場合、会社が得たおカネは100です。ところが、間接法によるCF計算書では(税前)利益40から計算が始まります。営業CFの計算は、言わば(税前)利益を営業CFに読み替える調整計算です。つまり、何も調整を入れないとすると(税前)利益がそのまま営業CFとなってしまいます。この例では、営業CFが40となるのです。お気づきのように、営業CFの計算が、おカネを支払っていない減価償却費が控除された(税前)利益からスタートするため、おカネの出入り額に調整するためには減価償却費を足し戻す必要があるという訳です。
減価償却費に限らず、減損損失や賞与引当金などのおカネの動きを伴わない費用も同様に営業CFの計算では加算されます。このようにお金の動きを伴わない費用のことを「非資金費用」と言います。
【すぐ役立つ!】キャッシュフロー計算書の見方:誰でもわかる!
簿記2級
なので 損益計算書・貸借対照表並んで重要な書類 ですが、簿記を学んでいる方も「知らない」「難しくてわからない」方が多い と思います。
なぜなら 見るべきポイントは決まっている からです。
- キャッシュフロー計算書が理解できる
- キャッシュフロー計算書を読めるようになる
- 経営状態の分析ができる
- 経営・投資に活かせるようになる
キャッシュフロー計算書とは?
ざっくり簡単に言うとキャッシュフロー計算書とは、 企業のお金の流れを表した表 です。
キャッシュフロー計算書の目的
なぜキャッシュフロー計算書が必要なの?
それは キャッシュの時間差によるズレを把握する必要があるから です。
こういった事態を防ぐためには、 見かけ上の利益だけでなく、キャッシュの流れを把握する必要がある のです。
キャッシュフロー計算書は2つの作成方法がある。
- 貸借対照表と損益計算書から計算する
- キャッシュフローと利益との差が見えやすい
- ほとんどの企業が間接法
- 直接キャッシュの動きを記録して集計する
- 活動ごとのお金の流れがわかりやすい
- 事務的負担が大きい
- キャッシュフロー計算書はお金の流れを把握する
- 利益が出ていても支払いができずに倒産してしまう「黒字倒産」を防ぐのに役立つ
- 投資家にとっても企業の経営状態を把握できる重要な財務諸表
- 作成方法には間接法と直接法の2種類がある
キャッシュフローの構造と見るべきポイント
営業活動によるキャッシュフローの箱
主たる 営業活動によるキャッシュフローを表す箱 です。
損益計算書では営業外損益に振り分けられていた 支払・受取利息もここに入るのがポイント です。
見るべきポイント
営業活動によるキャッシュフローで 見るべきポイントは営業活動によるキャッシュフローの最終的な金額 フロー計算書の基本 です。
投資活動によるキャッシュフローの箱
見るべきポイント
ここで見るべきポイントも営業活動によるキャッシュフローと同じで、 投資活動によるキャッシュフローの最終的な金額 です。
財務活動によるキャッシュフローの箱
見るべきポイント
ここで見るべきポイントも、いままで見てきた2つの箱と同じで 財務活動によるキャッシュフローの最終的な金額 を見ます。
フリーキャッシュフローとは?
簡単に説明すると 会社が自由に使っても良いお金のこと です。
フリーキャッシュフロー = 営業キャッシュフロー + 投資キャッシュフロー
ビジネスで活かすための見方
キャッシュフロー計算書の理想的な形
チェックすべきポイント
- 営業活動のキャッシュフローは”マイナス”になっていないか
- 設備などの投資は積極的に行っているか
- 財務活動のキャッシュフローの増減
営業CFはマイナスになっていないか
キャッシュフローの構造と見るべきポイントでも書きましたが、 営業活動で最終的に手元にいくら残ったかがとても重要 です。
先ほど黒字倒産の話をしましたが、 損益計算書上で利益が出ているように見えても営業キャッシュフローがマイナスだと資金繰りは大変厳しい状態 といえます。
フロー計算書の基本
1.電子契約の基本的な仕組み
電子契約とは、インターネット上で契約締結を行う仕組みのことです。 電子契約では、紙の契約書で言うところの押印の代わりに「電子署名」「タイムスタンプ」を利用して契約締結します 。契約データは自社サーバーや電子契約システムのクラウドストレージなどに保管されるのが一般的です。「電子署名」と「タイムスタンプ」については、 このあと詳しく解説します。
①電子署名とは?
フロー計算書の基本
②タイムスタンプとは?
タイムスタンプとは、電子文書がある時刻に確実に存在していたことを証明する技術です。 パソコンの時計は簡単に時刻を変えられるので、「時刻認証局」という機関の時刻情報を使用します。また、先に述べたとおり電子契約では電子文書の内容を「ハッシュ値」という特殊な暗号に変換します。ハッシュ値は1文字違うだけで、全く異なる文字列になるため、電子文書が改ざんされてるかどうかの確認ができるのです。
この仕組みにより、「タイムスタンプが確定した時刻に、その電子文書が存在していたこと」「タイムスタンプが確定した時刻より後に、電子文書が改ざんされていないこと」この2つが証明されます。
※タイムスタンプを発行できるのは時刻認証局、もしくは電子契約サービス会社です。
③認証局とは?
認証局とは、電子証明書の登録、発行および失効などを行う第三者認証機関のこと。 利用者が電子証明書の発行を申請し、本人確認の手続きを経て、電子証明書が発行されます。発行された電子証明書はデータベースに保存されます。
認証局が発行する電子証明書は、 「①電子署名とは」における「公開鍵」が本人のものであることを証明します。 電子署名が「実印」で電子証明書が「印鑑証明」のようなものと呼ばれるのはこうした背景があるのです。
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